「道具」にしてこそ、格好いい
靴というのは私にとって、やはり道具、という意味が大きいですね。大地に直結している、とても大切な道具。私のブランド、KISSAのキャッチフレーズは「大地にキスを」なんですが、紳士靴に対して、その思いは一層、強いですね。靴ばかりでなく、家具でも、椅子でも、万年筆ひとつでもそうなのだけれど、道具はその使い手と、長い時間、いろいろな場面を共有してこそ、味が出てきます。
使い手のライフスタイル、そしてその人自身を語ってくれるものになる。たとえば、玄関先になにげなく脱いである靴を見ただけで、履いているのがどんな人かわかるときがありますよね。それは、その人が道具として靴を使いこなしている、ということだと思うんです。
最近、靴が大好きで、何十万もするハンドソーンを、ピカピカに磨き上げて飾っている若い男性がいると、近所のセレクトショップの方にうかがいました。でも、私はせっかく憧れの靴を手に入れたのだから、眺めていないでどんどん履いて欲しい、と思うんです。靴はもっと日常に密着してこそ、魅力が出るわけじゃない?
たとえばグットイヤーなら、修理や手入れをしながら、10年以上履けるんです。
底をオールソールで張り替えられているし。履いているうちに、たとえばアッパーの表面が少々ささくれ立っても、オイルを染みこませばいいし、いつまでもピカピカじゃなくていいと思うんです。
履き込んで、なじんで、ようやくその人の道具になる。そうやって同じものを何年も愛着を持って使う人は、自分に何がふさわしいか、何が必要なのかをわかっている人だと思うんです。そんな男の人は年齢にかかわらず、すごく素敵ですね。
服や靴って、つねにTPOがついて回るけど、そうやってちゃんと自分に道具にした人は、そこはちょっぴり逸脱しても格好いい。 たとえば、昔エッセイでも取り上げたことがありますが、ヘミングウェイの写真集の中に、ショートパンツで素足にローファーを履いている姿があるんです。
私、それが大好きなの。ふつうだったらスニーカーかサンダルでしょう?それがローファー。そういうことができるのは、彼がお洒落を知っていて、革靴を素足に履く気持ちよさを分かっていたからだと思うのね。ウッディ・アレンがあるパーティーで、タキシードにスニーカーを履いていたからことがあったけれど、あれもすごく格好良かった。
それから、ある葬儀の席に、いつも革ジャンでバイクを乗り回している男の子たちのグループが列席していたのですが、その時、彼ら、黒のスーツにブラックタイで、足元はいつもの黒いライダーブーだったの。それがすごくしゃんとしてみえて、ああ、素敵だなあ、と思いました。
自分の道具にするってそういうことだと思うのね。 身体の一部になるような自分らしい靴を見つけて、履きこなしてこそ、お洒落だといえるんじゃないでしょうか。
(たかだ さき シューズデザイナー・談)より
靴のエコーは安心にお買い物が出来るインターネット専門の紳士ビジネスシューズ、カジュアルシューズ店になります。
インターネットネットの一番の心配点はサイズが合わなっかたらどうしよう?だと思います。
この点も靴のであれば完全無料で一回は交換できますので安心しておか安心してお買い求めください。
【令和3年4月28日】更新
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